介護職は、「転職回数が多くても、比較的問題ない業界だ」と考えている人は珍しくないでしょう。女性社員が多いことから、結婚や出産、家族の介護といった家庭環境の大きな変化に伴って、退職をしてしまう人が多いため、業界全体の離職率が高まってしまう傾向にあるからです。しかし、それは男女比の問題によって発生する離職率であり、実際のところ「むやみに転職を繰り返す人」に対するイメージは、決して良いとはいえません。
例えば、「育児や介護の手が必要となり、今まで通りの勤務が難しくなった」や「夢や目標があり、他の業界を志した」など、第三者にきちんと説明できるような退職理由であれば、問題視されない可能性はあります。ところが、「思っていたより介護の仕事が辛かった」といった漠然とした理由で、二度、三度と転職を繰り返すような人は、「うちで雇っても、また同じような理由ですぐに辞めてしまうに違いない」と敬遠される恐れがあります。
勿論、どれだけ努力を重ねても改善できない人間関係に悩んだり、勤務先の経営方針が変更され、予期しない夜間勤務を強制されたりして、転職を決意せざるを得なくなる人は、決して珍しい存在ではありません。そのため、「自分は転職回数が多いから、次の仕事には採用してもらえないだろう」と諦めずに、転職に至った経緯や考えをしっかりと整理することが必要です。
そして、「自分が勤務する上で譲れない条件と、職場の提示する条件が合致していなかったから」といった説明をすることで、転職回数に囚われずに、新しい仕事を探すことが重要です。